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戦場に響く鈴の音
第31章 天使



久しぶりに雪南の正装を見た。

最後に雪南と黒炎へ登城をしたのは婚姻の前だった。


「参りましょうか?」


爽やかな笑顔を作る雪南が馬に乗る。

宿の前の道を歩く女子共が一斉に雪南へ溶けた熱い視線を向けるのを確認する。

俺も馬に乗り、雪南の前へ出る。


「雪南…、お前、俺より目立ってないか?」

「そう言われましても、この顔は生まれつき…。」


普段は見せない笑顔を雪南が見せびらかす。

こいつ…。

わざとだ。

気持ちは嬉しいが複雑な気にさせられる。

俺より目立てば雪南が狙われる。

しかも優男に見せかければ相手は油断する。

とにかく、やたらと目立つ雪南と赤羽へと馬を歩かせる。


「止まれっ!」


半刻も待たずに役人と思われる連中が俺と雪南を囲む。

ここは大人しく馬を止める。


「城下内での馬は禁じられている。」


そう言われた雪南が馬から降りて、赤羽から来た召喚状を役人に見せる。


「申し訳ない。大城主、奏様の呼び出しに応じる為、蘇より駆け付けたばかりで、こちらの法には疎い…。」


馬鹿なフリを雪南がする。

どの国だろうと大城主が治める城下街じゃ馬を歩かせる事が緊急時以外は禁じられている。


「大城主の召喚…、しかも蘇の黒崎だと?西元の鬼か…。」


役人は嫌そうな顔をするが立場上、俺や雪南を切る事は出来ない。

俺達は登城中の身…。

下手に傷付ければ大城主の召喚を蔑ろにしたと言われかねない。


「城まで案内をする。馬に乗れ。」


役人達が俺と雪南を取り囲みながら赤羽へと動き出す。

これで安全は確保した。

赤羽城内へ入れば、意外と対応が普通だ。


「馬をお預かりします。それと腰の刀を…、大城主は謁見の間でお待ちです。準備が出来次第、ご案内致します。」


城護衛の兵士が俺と雪南の刀を取り上げ、控えの部屋まで送り届けてくれる。


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