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戦場に響く鈴の音
第34章 醜態



琴の前に座る鈴が金色の瞳の光を激しく揺らしながら俺の方を睨んでいる。


「ちゃんと聴いてたのか?」


クッと右側だけの口角が上がり、怒りに満ちた笑みを浮かべる鈴が問う。


「聴い…てたぞ。」


怒りは鈴の音を俺が聴いてなかった事らしい。


「ほう…、今までとは随分と違う演奏だったはずだが、神路に理解が出来たと申すか?」

「出来たよ。上手くなったな…、鈴…。」

「嘘を吐くなっ!この琴は汐元様から今日、頂いた琴じゃ。音に深みが増して、鈴の腕では弾きこなせぬ。」

「そうだったな…。」

「誤魔化すな。」

「茂吉達が合流するまで、好きなだけ練習すれば良い。」

「先に庄条の見学をするのだ。だから今宵のお酒はもう終わりっ!」


琴の前から俺の前まで真っ直ぐに突進する鈴が俺の手から盃を奪って投げ捨てる。


「雪南…。」

「私も今夜は失礼を致します。」

「逃げるなっ!」

「では、ご緩りと…。」


嫌味ったらしく汐元の真似をして雪南までもが部屋から逃げる。

毛を逆立て牙を剥き鋭い爪を光らせる仔猫と二人きりにされても恐怖しか湧いて来ない。


「鈴…、もう酒は飲まない…、だから、少しは落ち着いて話でもしよう。」

「話は要らぬ。さっさと寝所へ行くぞ。」


俺の手を無理矢理に掴んだ鈴が汐元の用意した寝所へ向かう。

時々、鈴の方が漢らしく振る舞う仕草を見せると、やはり漢らしくと育ててしまった自分に後悔が過ぎる。


「何を考えてる?」


床に俺を押し倒し、腹に跨る鈴が問う。


「いや、最近のお前…、漢らしいなと…。」


本音を口にしただけで鈴の表情が見る見るうちに険しいものへと姿を変える。


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