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戦場に響く鈴の音
第1章 謀叛



「ついて来るか?」


迷う事なく直愛に聞いていた。


「黒崎様?」


素直な雪南は驚きを隠しはしない。

それは直愛も同じらしく切れ目長な瞳を大きく見開き俺を見る。

直愛は整った顔の男だ。

だが、その端正な顔がすぐ様に歪む辺りは雪南同様に真っ直ぐな人柄を示してる。


「本丸で梁間を討つ。火種を撒いた本人ならば俺と共に行くかと聞いてる。」


ある意味で言うなら此度の手柄は直愛の物だ。

それを俺が横取りするよりも、今一度、直愛が御館様への忠義を示すチャンスを与えてやる。

直愛が自身の立場を理解してるのであれば俺と共に梁間を討つ為に本丸へ向かうのが筋である。

今の直愛は梁間の目付けであり、本来ならば梁間を説き伏せる役目も担ってる。

しかし、直愛はその役目を果たせなかった。

梁間の悪業を諌める事も出来ず、御館様からの最後通告に対し従わせる事すら叶わなかった。

あまつさえ、大河軍勢が押し寄せた瞬間に、我先にと梁間を裏切った家臣になる。

今こそ御館様への忠義を改めて示すのなら、直愛が自らの手で梁間を討ち落とし、その首を御館様の御前に差し出すのが御館様に対する忠義の証となる。

梁間にとって直愛は目付けとしては余りにも若過ぎた。

今のままでは若さで何も出来ずに御館様へ庇護を申し出ただけの愚かな家臣で終わってしまう。


「それとも、我が主君を討ち落とす義は持ち合わせておらぬと身を引くつもりか?」


まだ、自分の状況を把握出来ない直愛を追い立てる。


「我が主君は大城主、大河様のみでございます。」


少しは状況を理解した直愛が口元を引き締める。

真っ直ぐで良い眼をした男だと思う。


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