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戦場に響く鈴の音
第4章 出陣



だけど、どうすれば良い?

戦場に子供を連れて行く?

奴隷小姓ならまだしも…。

鈴をそういう小姓にするつもりは無い。


「連れてっておやり。」


義父がのんびりと言う。


「ですがっ!?」

「今度の戦は長引くのだろ?お前が帰って来なければ、この子は飯も食わずに死を選ぶ。」


鈴にそんな忠義があるとは思えない。

それでも頑固な鈴ならやりかねない。


「わかりました。鈴は雪南と共に戦に出る準備をしろ。俺は義父と話がある。」


鈴は露骨に嫌そうな顔をするが雪南が


「ほら、ついて来るならば自分の荷物は自分でまとめろ。」


と鈴の首根っこを掴んで義父の部屋から連れ出す。

直愛も慌てて雪南の後を追う。


「あの子が来て賑やかになった。」


義父がそう言って笑う。

俺は義父を笑わせるようなガキじゃなかった。


「煩くしてすみません。」

「それよりも、要件は?」

「雪南に天音(あまね)を触る許可を下さい。」

「天音をか?」


義父がのんびりと考える。

天音とは西元の北側にある天音湖の事…。

その湖より流れる天音川が由との国境になる。

天音湖は黒崎の領地。

湖の畔には黒崎の別荘になる屋敷がある。


「それだけか?」

「後は少しばかしの兵と労働者を…。」


黒崎にも領地内を守る兵はある。

問題は労働者の方だ。

農民などに仕事を与えて働かせるのだが、時期に寄っては集まりが悪く賃金を高くする必要がある。


「わかった。私の方から早馬を出しておく。天音に集結させれば良いか?」

「労働者は出来うる限りの人数を…。」

「田植えの時期に難しい事を言う。此度の戦、農民で戦う訳じゃなかろうに…。」

「西元が焼け落ちた以上は大工や土木が出来る技術者も必要なもので…。」


俺の我儘に義父はため息を吐く。

これ以上を望めば義父の薄い髪が更に禿げそうだと俺は義父の部屋を抜け出して自分の部屋に逃げる。


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