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戦場に響く鈴の音
第36章 興奮
極度の興奮…。
戦場で新兵がよくかかる症状に似てる。
中途半端に戦場を知る鈴だからこそ、汐元の前での演奏では新兵のように自分自身を奮い立たせて追い込んだのだろう。
今は脳を駆け巡るアドレナリンに逆らえず、戦い終わった今も興奮が治まらない。
震える手で俺の着物を掴み、無理矢理に引き寄せて深い口付けを強請る。
なすがままに…。
興奮する鈴の着物を脱がせて身体中を撫で上げる。
ピンク色に染め上がった肩を撫でて興奮を治めてやろうとしても、それは逆効果にしかならず俺の背に鈴が爪を食い込ませる。
「熱いっ…。」
潤む瞳を細めて鈴が呟く。
「風呂で身体を冷やすか?少しは興奮が治まるぞ。」
「うるさいっ!」
迂闊に茶化せば黙れと唇で口を塞がれる。
まるで男のように鈴が俺の身体を求めて来る。
床へ俺を組み伏せて着物の袂を開き俺の上で細い身体を揺らして踊り出す。
まだ琴を演奏してやがる。
揺れる身体は鈴が奏でるリズムを見せつける。
指先が弦を弾くように俺の裸体を撫で上げて、弦を押さえるように魔羅を掴む。
掴まれた魔羅は前戯など要らぬと鈴の体内へ押し込められ、滝の如く長い黒髪を流す背が綺麗な弧を描く。
「あぁ…。」
宙を仰ぐ鈴の小さな唇から吐息が漏れる。
鈴の肉壁が信じられないほどまで俺を締め付ける。
ゆったりと俺の身体の上で白い裸体がうねりを見せる。
蝋燭の炎のようにユラユラと揺れる裸体の小さな乳房に触れれば鈴の喘ぐ声が一段と高鳴る。
「もっと…。」
鈴の腰の揺れが激しくなる。
「───あんっ…、はぁ…いぃ…。」
勝手に興奮して、勝手に快楽に溺れやがる。
「汐元の屋敷では嫌だとか言ってたくせに…。」
この屋敷に佐京が居るというだけで鈴が興奮してるようにも見えて腹立たしいとか思う。