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戦場に響く鈴の音
第7章 士気



「まあ、直愛と須賀は北側に注意してろ。狼煙が見えたら俺にすぐに知らせれば良い。」

「北側…ですか?」


須賀は不思議そうに俺を見る。


「援軍は天音湖に用意してある。」


とだけ教えてやる。


「さすが神路殿…。」


クソ真面目に直愛は納得する。

言っとくが援軍は僅か1万だ。

万里率いる10万の軍勢にゃ、その程度の援軍は焼け石に水だという事実は伏せておく。


「まあ、そういう事だ。」


つまらない軍議を早々に終わらせては俺は自分の天幕に引き籠る。

あれから鈴とは何も無い。

無いというよりも俺が何もしたくない。

鈴は俺の床で本を読み、静かに寝る。

鈴からは殆ど話そうとはしない。

朝、俺を起こしたり飯の時くらいしか鈴は言葉を発しようとしない。


「膳を持って来た。」


無表情なまま俺の前に夕餉を置く。


「鈴…。」


俺から離れようとする鈴の腕を掴む。


「なんだ?」


やたらと偉そうな俺の小姓…。


「少し話がしたいだけだ。」

「何をだ?」

「この前の事…とか?」


俺の方が鈴に身構えてる。

俺が鈴に怯えてる。

この子に嫌われるのが怖いとか…。

ガキみたいな事を考えてる。


「どうした?神路…。」


女の子の様な声…。

小さく細い指で俺の顔を撫でて来る。

俺は膝に鈴を乗せる。


「だから…、この前の夜…。」

「なんだ?」

「鈴は嫌じゃなかったのか?」

「神路は嫌だったのか?」


逆に聞かれて狼狽える。


「聞いてるのは俺だ。」

「鈴は少し嬉しかった。神路が鈴を欲しがってると感じて嬉しかった。だけど神路は怖い顔をしてた。神路が辛いなら鈴はもう何もしない。」


無表情なまま鈴は俯く。

いつもいつも…。

こいつは自分の感情を俺に見せようとしない。


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