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官能小説 朗読します!
第7章 リアル 1
「ほら、中学生じゃないんだから不貞腐れない!誕生日来たからもう二十歳でしょう?タクマ君。生活のリズム、どうなってる?朝型にしていかないと、勉強の効率悪いよ。」

「西崎チューターって、結婚してるんですよね。」

タクマは、全く噛み合わない話をし始める。

「してるわよ。子供も二人。だから仕事頑張らないと。タクマ君に合格してもらわないと困るのよ。」

「結婚してて、お母さんなのに......、いいんですか?あんなことしてて。」

「。。。どういう意味?」

タクマは意味深長な笑いを浮かべると、声を潜めて話を続ける。

「おもしろいサイトを見つけたって、昨日電話で言いましたよね。エッチな小説を書いてる熟女が、その小説を朗読してくれるんです。アダルト動画は見慣れてるけど、また違った興奮があるんですよ。」

「......それって、アダルトサイトでしょう?貴方は見ちゃいけないんじゃないの?」

くくくっ、とタクマが笑いをこらえて私を見る。

「僕は成人ですよ。今、チューターもそう言ったじゃないですか。」

。。。血の気が引いてくる。
じゃあ、この子が。。。。

「最初は、似た声だなぁと思って、かまをかけたんです。でも、指輪をした手の映像を見て確信しました。。。。玲子さん。。」

私は自分の左手に目を落とす。あの映像に映されたピンクゴールドの指輪を、今日もそのままはめている。

「西崎チューター。勉強、これから頑張りますから、一つお願いを聞いてくれませんか?」

私は心臓がバクバクして、何も返答ができない。「お願い」という言葉だけが、耳に残り、問い返す。

「お願い?」

「お願いって?」

私は動揺を悟られないよう、尋ねる。
タクマは身を乗り出して、ひそひそ話を続ける。

「否定しないんですね。簡単です。玲子さんの小説、男が全部『貴方』と表現されてますよね?あれを俺の名前にして、一つ作品を書いて、配信してください。人妻と二十歳の男とのSEX。それを聞いてみたい。。。あ、本名でなくて、メールに書いた『カイ』でいいです!」

「そんな......。」

「俺、今、本当にモチベーション下がっちゃってて。なんか、励みにしたいんです。」

「。。。本当に勉強頑張る?」

「絶対!」

「なら、週明けの単語と熟語のテスト、9割以上取れる?」

「取ります!」
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