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第2章 誘い込まれた少女たち

事の発端は昨日。

美奈緒と詠美は、文芸部の先輩である江藤リツカから、一枚の名刺を受け取ると共にこう提案された。


「私のかわりに、あんたたちが面接してもらいなさいよ」


何のことやらわからない二人に、リツカはアンニュイに笑って説明してくれた。

リツカは先日、街で「アイアンウィンド」という芸能事務所からスカウトされ、後日会社で面接を受けるという約束と共にこの名刺を渡されたという。

その場では勢いに負けて行くと返事をしたものの、正直芸能界なんて興味がないし、でもただ断るのももったいないので自分のかわりに後輩でも推薦しておこうか、と思ったのだそうだ。


「な、何で私たちを推薦なんか」


美奈緒たちはうろたえた。

リツカは大人っぽくてグラマーで、芸能界から声がかかるのも頷けるような美人だ。

一方、自分たちは...。