この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
前戯指南
第2章 前戯指南
(今、俺の後ろで女の人が裸に……)
そう思うだけで、晴臣は耳まで赤くなる。程なくしてクローゼットが開け閉めされる音が聞こえてきた。
「じゃ、先に入るね」
「は、はい……!」
晴臣が裏返った声で返事をすると、エルカの小さな笑い声と浴室のドアが閉められる音がする。シャワーの音が聞こえてようやく、晴臣は大きく息を吐く。
「はぁ、こんなんで大丈夫かなぁ? 俺……」
緊張で震える手を見ながら、肩を落とした。
10分もするとエルカは鼻歌を歌いながら出てくる。よく聴けばトルコ行進曲だ。
(なんでトルコ行進曲なんだろう?)
この状況にあまりにも不釣り合いな選曲に、力が抜ける。
「晴臣くん、入っていいよ」
バスローブ姿のエルカは、髪を拭きながら晴臣の前に立つ。
「あ、はい。いってきます……」
「いってら~」
エルカに見送られて浴室前に来た晴臣だが、脱いだ服の置き場に困惑する。
(クローゼットはエルカさん使ってるし、壁掛けハンガーに行くには、エルカさんの前通らなきゃだしなぁ……)
迷った結果、バスローブの収納スペースに入れることにした。バスローブを洗面台にのせると、脱いだ服を畳みながらしまっていく。
どうせエルカがここを見ることはないと思いながらも、下着は一番下にしまった。
浴室に入るとシャンプーの匂いがする。シャワーの近くには、見たことのない高級そうなメーカーのボトルが3本並んでいる。晴臣はボトルを1本1本手に取りながら、それがなんなのかを確認していく。
「こっちがシャンプーに、えーっと……コン、ディショナー……? で、これがボディソープか……」
ボトルの確認を終えると、躯を洗うためのスポンジを探す。といっても、ボディソープのすぐ隣にあったのだが。
「もしかして……ひとつしかない、のかな……?」
ダメ元で見回すが、カラになった入浴剤やスポンジの袋があるだけで、未使用のスポンジはなさそうだ。
「洗わないわけにはいかないし、仕方ないよね……」
晴臣は自分に言い聞かせながら、スポンジにボディソープを垂らした。
「あ……」
スポンジをくしゅくしゅして泡立てている最中に、まだ髪を洗っていないことに気づく。
そう思うだけで、晴臣は耳まで赤くなる。程なくしてクローゼットが開け閉めされる音が聞こえてきた。
「じゃ、先に入るね」
「は、はい……!」
晴臣が裏返った声で返事をすると、エルカの小さな笑い声と浴室のドアが閉められる音がする。シャワーの音が聞こえてようやく、晴臣は大きく息を吐く。
「はぁ、こんなんで大丈夫かなぁ? 俺……」
緊張で震える手を見ながら、肩を落とした。
10分もするとエルカは鼻歌を歌いながら出てくる。よく聴けばトルコ行進曲だ。
(なんでトルコ行進曲なんだろう?)
この状況にあまりにも不釣り合いな選曲に、力が抜ける。
「晴臣くん、入っていいよ」
バスローブ姿のエルカは、髪を拭きながら晴臣の前に立つ。
「あ、はい。いってきます……」
「いってら~」
エルカに見送られて浴室前に来た晴臣だが、脱いだ服の置き場に困惑する。
(クローゼットはエルカさん使ってるし、壁掛けハンガーに行くには、エルカさんの前通らなきゃだしなぁ……)
迷った結果、バスローブの収納スペースに入れることにした。バスローブを洗面台にのせると、脱いだ服を畳みながらしまっていく。
どうせエルカがここを見ることはないと思いながらも、下着は一番下にしまった。
浴室に入るとシャンプーの匂いがする。シャワーの近くには、見たことのない高級そうなメーカーのボトルが3本並んでいる。晴臣はボトルを1本1本手に取りながら、それがなんなのかを確認していく。
「こっちがシャンプーに、えーっと……コン、ディショナー……? で、これがボディソープか……」
ボトルの確認を終えると、躯を洗うためのスポンジを探す。といっても、ボディソープのすぐ隣にあったのだが。
「もしかして……ひとつしかない、のかな……?」
ダメ元で見回すが、カラになった入浴剤やスポンジの袋があるだけで、未使用のスポンジはなさそうだ。
「洗わないわけにはいかないし、仕方ないよね……」
晴臣は自分に言い聞かせながら、スポンジにボディソープを垂らした。
「あ……」
スポンジをくしゅくしゅして泡立てている最中に、まだ髪を洗っていないことに気づく。