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前戯指南
第1章 足りない勇気
「はぁ……。あの、エルカさんはどうしてそのようなことをしてるんですか?」
これは名刺をもらってから、ずっと疑問に思っていたことだ。性的経験皆無な上に男の晴臣には女性の快楽は理解出来ないが、それでもどうせするなら上手い人とやった方がいいだろう、と。
「私今まで色んな男と付き合ってきたんだけどさ、みんなハッピーな別れ方をしてきたの。ひとりを除いてはね」
「そのひとりって、童貞だったんですか?」
晴臣の質問に、エルカは大きく頷いた。
「別に童貞が悪いとは言わないよ? 誰にだって初めてってあるわけだし。でも彼はなんていうか、セックスに関して自信過剰だったんだよねぇ……」
そう言ってエルカは、大きなため息をついた。
「え? 童貞なのに?」
「そう、童貞なのに。AVとかエロアニメ、漫画とかたーっくさん見て勉強したんだから、絶対上手いって。でも史上最悪のセックスだったわ……」
よほど嫌なのか、エルカは断りも無しに煙草を吸い出した。晴臣はすかさず彼女の前に灰皿を置いた。
「ありがとう。……まずディープキスはドラム型洗濯機かよってくらい舌をグルグル回すし、愛撫だって全然ダメ。終始指先で躯をなぞるような愛撫、くすぐったいだけ。あれはここぞという場所とタイミングでするものなの。まんこの触り方なんかもう最低! クリトリスグリグリするし、ガシマンするし。腰の振り方もジコチュー丸見え!」
エルカは一気に言うと、オレンジコーラを飲んで息を吐いた。
「そ、それは最悪でしたね……」
「うん、もう最悪! そんな馬鹿な男を少しでも減らしたくて、前戯指南して回ってるの」
「な、なるほど……」
(うーん……伊織との初セックス、そんな悲惨な思い出にしたくないな……)
さすがにガシマンなどはしようとも思っていないが、エルカの話を聞いて勉強するのは大事だと思いだした。
「あの、エルカさん。前戯指南、お願いします」
「うん、いいよ。じゃあさっそく行こうか」
ふたりは割り勘でカラオケ店から出ると、エルカの案内でホテルに来た。城のような外観に、思わず後ずさる。
(一応2万円あるけど、大丈夫かなぁ……?)
これは名刺をもらってから、ずっと疑問に思っていたことだ。性的経験皆無な上に男の晴臣には女性の快楽は理解出来ないが、それでもどうせするなら上手い人とやった方がいいだろう、と。
「私今まで色んな男と付き合ってきたんだけどさ、みんなハッピーな別れ方をしてきたの。ひとりを除いてはね」
「そのひとりって、童貞だったんですか?」
晴臣の質問に、エルカは大きく頷いた。
「別に童貞が悪いとは言わないよ? 誰にだって初めてってあるわけだし。でも彼はなんていうか、セックスに関して自信過剰だったんだよねぇ……」
そう言ってエルカは、大きなため息をついた。
「え? 童貞なのに?」
「そう、童貞なのに。AVとかエロアニメ、漫画とかたーっくさん見て勉強したんだから、絶対上手いって。でも史上最悪のセックスだったわ……」
よほど嫌なのか、エルカは断りも無しに煙草を吸い出した。晴臣はすかさず彼女の前に灰皿を置いた。
「ありがとう。……まずディープキスはドラム型洗濯機かよってくらい舌をグルグル回すし、愛撫だって全然ダメ。終始指先で躯をなぞるような愛撫、くすぐったいだけ。あれはここぞという場所とタイミングでするものなの。まんこの触り方なんかもう最低! クリトリスグリグリするし、ガシマンするし。腰の振り方もジコチュー丸見え!」
エルカは一気に言うと、オレンジコーラを飲んで息を吐いた。
「そ、それは最悪でしたね……」
「うん、もう最悪! そんな馬鹿な男を少しでも減らしたくて、前戯指南して回ってるの」
「な、なるほど……」
(うーん……伊織との初セックス、そんな悲惨な思い出にしたくないな……)
さすがにガシマンなどはしようとも思っていないが、エルカの話を聞いて勉強するのは大事だと思いだした。
「あの、エルカさん。前戯指南、お願いします」
「うん、いいよ。じゃあさっそく行こうか」
ふたりは割り勘でカラオケ店から出ると、エルカの案内でホテルに来た。城のような外観に、思わず後ずさる。
(一応2万円あるけど、大丈夫かなぁ……?)