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第9章 ラブホにて

「エー！牛丼はないわぁ。パスタとかピザとか行こうやぁ。ほんで、デザートにタピオカ飲も！このへんにな、生タピオカのお店があって…」

「は？タピオカ？ないわ」

「エー…」

「あ、あそこに高級イタリアンあるやん」



　ダンナの指差す方を見る。
　サイ●リヤの緑色の看板が見える。
　いや、確かにミラノ風ドリア美味しいけどな？
　美味しいけどな…！？



「まぁ…ダンナくんと食べれるなら…なんでもええよ…」



　私は賢い嫁だ。
　15年も一緒に居るから経験上、分かっている。
　ここで私が駄々をこねると最悪どつきあいの喧嘩に発展するってことくらい…。


　別にいいんだ…
　久しぶりのランチデートがサイ●リヤでも…