この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
泥だらけのお姫様
第6章 溺れるのは禁断の果実で優しい不実の麻薬

将さんが頼んだボトルはあっという間に空になる。
「の、飲み過ぎですよ~。そろそろ話せますか……?」
「飲んでも飲んでも酔えないけれどぉおお~、もうお金もないですしぃ、話ます。話ます」
私はずっと将さんの頭を撫でている。いけないこと不実、こんなこと思ってはいけないと思いつつ、下腹部の湿りと一番大切なところが硬くなるのを感じる。
「俺、今日、振られたんっすよ」
「えっ? り、離婚するんですか?」
突然のことに動揺して声がうわずった。
「あ、そっか。指輪……してるもんね。そう思うよね。違うんだ、というか振られたってのも違うか。俺から言い出したし。女子高生とさ……そういう、その……不倫……関係だったんだ。ってか犯罪でもあるし、あぁ、俺ってマジでクズだぁ」
「ちょ、やめて下さい。そんなことないですよ」
机に頭を打ち付ける将さん。机と頭の間に手をそえる。誠実そうで幸せそうな人にそんな秘密があったなんて、意外すぎて、一瞬、優祐もよぎったが待ち受けを家族にしているのだから全然違う。キャバクラに来てる時点で~なんて世間のツッコミは今は受け付けない。

