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泥だらけのお姫様
第6章 溺れるのは禁断の果実で優しい不実の麻薬
「彼女にはさ、好きじゃないよ。お姫様のいうことを叶えてあげてるんだよって大人の素振り見せてたけどさ、本当は俺だって彼女のこと……」
将さんの目からは涙が零れ落ちた。
「……奥さんのことは好きじゃないんですか?」
「……好きだけどさ、好きだったけどさ、セックスレスになって。ほら、夫婦って子どもが出来ると~~って典型。俺から誘っても断られるから。それで……つい出来心でSNSで出逢った女子高生とそういう関係に……って、俺、捕まるよな……あいさん、俺のこと通報しちゃう?」
泣いたり卑下したり力なく笑ったり忙しい。
私は一世一代の賭けに出た。テーブルの下に最大限深く沈み込み将さんの手を取り、自分のスカートの横からランジェリーに触れさせる。そして一言。
「将さんのことを考えるとね……こんな風に……なってしまうんです。私じゃ……ダメですか?」
「えっ?」
将さんは驚いて、固まってしまう。その間もじゅわっ、じゅわっと下着を濡らしていく。ソファに汁がついてしまうのでは? という勢いだ。熱い。大きな手に……あぁ、下着の中までこの指を感じたい。けれど、私は手を離した。
「もし、私にできることがあれば、私で将さんを癒せるなら、今日は遅いので明日、19:00頃に隣街の××ホテルの横のカフェに来て下さい。待ってます」
「わ、分かりました。少し考えます……」
将さんはそう言うと店を後にした。明日まで緊張と不安で……今夜は眠れなさそうだ。