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泥だらけのお姫様
第6章 溺れるのは禁断の果実で優しい不実の麻薬
「んぁっ……」
びちゃっ……ぴちゃんっ。じゅーっ……今まで感じたことのないような液体が自分の中から流れ落ちて、
「ごっ、ごめんなさいっ……わ、私……」
「大丈夫だよ。そんなに……気持ちいいんだ。俺のこと、好き?」
シーツまでぐっしょりと濡れてしまって、彼のモノが入る前に粗相をしてしまったのかと焦って、恥ずかしくて、
「すっ、好きです……。けっ、けどっ……あっ、あの……私、その……漏らしちゃいました?」
恥ずかしくて涙が出てくるとふわりと頭を撫でられた。
「大丈夫だよ。潮吹き……美愛さん、積極的なのに、初めてなんだ。びっくりしたんだね。それなら、余計に優しくしないと。優しくするけど、痛かったら言って下さいね?」
私を硝子細工のように繊細に扱ってくれる。優祐もひょっとしたら不倫相手にはこうなのだろうか? ううん、今は考えない。将さんだけを。目の前にいるこの人のことだけを考えるんだ。
不倫はいけませんなんて言っておいて、そんな私がやってしまった。しかもこの優しさは沼は抜けられそうにない。禁断の果実だと優しい不実の麻薬だとしても溺れてしまう。寂しかった気持ちが勝ってしまった。埋められていく。心の傷が心の穴が。
「好きっ、好きっ……好きっ……」
「美愛さん、好きですよ」
耳元で囁き合う零距離で。快楽の中で本当のイクという感覚を初めて知った。優しい指先で体で私に愛されることをこの人は教えてくれる。
私達はお互いを壊すつもりはない。ただ埋め合いたいんだ。
「好き──」
その言葉は何よりも強烈な、そう──脳内麻薬。