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泥だらけのお姫様
第7章 それはまるで儚いシャボン玉
***
「美愛さん、今日も綺麗です。いや、可愛いです……のほうがいいのかな?」
高級ホテルの一室。将さんは、今日も変わらず私を優しく抱く。出逢ってから何年がたっただろうか? 2年? 3年? 優希が高校生になったからもう4年くらいたつのだろうか……? エスカレーター式の学校に通っているからまだ帰ってきていない。
ホテル代は全部出すし、あまり遅くに帰すことはないし、平日だけの関係だから今のところ相手の奥さんにはバレてないはず……。スマホでの連絡も極力とらない。次の約束は口頭でを徹底していた。
「どっちでも……嬉しい」
あれから私は努力した。努力して努力して年齢よりも若く見られることが多い。美容も体型も将さんのために私は綺麗でありたい。美しくありたいと願った。
優祐は、それでも私に見向きもしない。顔を合わせることもあまりない。それでも文句は言われたくないので、淡々と家事をこなした。
「良かった」
「ねぇ、将さん……今日もアレ……したいの」
ぎゅーっ。私は将さんに抱きついて、オムツを差し出した。
「美愛さん、かわいい。俺だけが知ってる秘密。姿」
あの日、優祐に気持ち悪いとはねのけられた。元々は優祐の趣味のはずなのに、私は将さんが受け入れてくれるのか、初めて普通のセックスをしたあの日から数日たった時、彼を試した。
「私ねー…実は、好きなことがあるの」
「なんですか?」
「おもらしすること。それをね、優しく、受け止められたい。愛情をね、感じたいの。……好きな人にこんなこと頼むなんて、変なですよね……。愛を感じたい。よしよしって頭を撫でられたい。素直に甘えたかった……ほんとっ……はっ」
気づいたら大粒の涙を流していて、嫌われたらどうしよう、そう思いながらも、どこまでも優しくされたからった。愛情を向けられたい。そう思った。短絡的。そうなのかもしれない。だけど、他に思いつかなかった。