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泥だらけのお姫様
第8章 泥だらけのお姫様
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「うーん、美愛さんの場合、色々な病状と混ざってますね……よく、ここまで我慢しましたね。無理だと思うけど、休める時はゆっくり休んで下さい。私が言えたことでもないですが、他の親族に頼るとか、友達に頼るとか色々……できることを考えていきましょう……」
あの後、私は優祐の冷たい目に不安になって、また失敗したらどうしよう。また失敗しても大丈夫……とオムツを寝る時は必ず履くようになった。将さんとの夢を見るときは、決まって、オムツが濡れていた。でも、もう誰もそのオムツは取り替えてくれない。惨めに自分で交換するだけ。その瞬間は、どうしても涙が零れる。
誰か助けてって思っても外面だけはいい優祐。友達にも親族にも頼れない。私は少し遠いカウンセリング併設のメンタルクリニックの扉をくぐっていた。
「あ……ごめんなさい。そう……ですよね、頼れない……ですよね。普通の診察しちゃいました。相変わらず、あのBerに集まってるんで、寂しかったらいつでも来て下さい」
「ありがとうございます」
カウンセリングしてくれたのはミキさんだった。偶然の再会。
心地よかったあのBerだけど、もう行けないと思う。憧れの人……京さんがいる前で自分の恥ずかしい姿はできるだけ見られたくない。私の少しのプライドが邪魔をした。