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泥だらけのお姫様
第8章 泥だらけのお姫様
「みーこって誰よ! 私の夫と不倫してるのよ、夫を返して……!!」
「お客様、やめて下さい!」
あんたより、あたしのほうが綺麗なのよ、愛されてるのよって、優祐に昔買ってもらった黄色の薔薇のワンピースやオープンハートのネックレス、高級コスメで精一杯メイクをして行った。
「何事ですか?」
「みーこってあんた?!」
「はい……っ……」
みーこ、水原美子(みずはら みこ)は若かった。シミ一つない綺麗な肌をしていた。中古品は、どんなに綺麗にしていても、いつか捨てられる。私は恐怖を覚えて、とまらなくなった。
「このっー 泥棒猫!! あなたのせいで優祐は、優祐は……!!」
「水原さん、ごめんね。君、今日で……」
「はい。分かってます。辞めますから。ありがとうございました。安心して下さい。もう彼には会いませんから」
みーこは冷静で、代えなどいくらでもいる、そんな口調で……。去っていく背中に腹がたって……。