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泥だらけのお姫様
第8章 泥だらけのお姫様
「そういう問題じゃない!」
「警察! 警察!」
「美愛……さん? あ、スタッフさん? ご迷惑おかけしました。私が引き取りますので」
***
「落ち着き……ましたか?」
「助かりました。ありがとうございます。仕事……遅れさせてしまってごめんなさい」
たまたま職場近くで通りがかかったカウンセリングのミキさんに助けられた。
「いえ。躁……状態、気をつけて下さいね。鬱の時も怖いですが、躁の時はもっと怖いですから。お薬、こまめに飲んで下さい。悪化してるので、本当は今すぐにでも別れて欲しいんですけど、いちカウンセラーにそんな権利ありませんから……」
ミキさんは私を家まで送ってくれて、今、一人にするのは怖いからと結局、仕事まで休ませてしまった。私が謝ると、これも仕事だからと。事情を話したら仲良しの子が代わりに出勤してくれるからと笑ってくれた。どれだけ私は人に迷惑をかけるのだろう。
その夜だった。優祐が刺されて亡くなったと連絡を受けたのは。ミキさんと自分の親が付き添ってくれた。向こうの親も来たように思う。この時の記憶は少し、欠落している。
「警察! 警察!」
「美愛……さん? あ、スタッフさん? ご迷惑おかけしました。私が引き取りますので」
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「落ち着き……ましたか?」
「助かりました。ありがとうございます。仕事……遅れさせてしまってごめんなさい」
たまたま職場近くで通りがかかったカウンセリングのミキさんに助けられた。
「いえ。躁……状態、気をつけて下さいね。鬱の時も怖いですが、躁の時はもっと怖いですから。お薬、こまめに飲んで下さい。悪化してるので、本当は今すぐにでも別れて欲しいんですけど、いちカウンセラーにそんな権利ありませんから……」
ミキさんは私を家まで送ってくれて、今、一人にするのは怖いからと結局、仕事まで休ませてしまった。私が謝ると、これも仕事だからと。事情を話したら仲良しの子が代わりに出勤してくれるからと笑ってくれた。どれだけ私は人に迷惑をかけるのだろう。
その夜だった。優祐が刺されて亡くなったと連絡を受けたのは。ミキさんと自分の親が付き添ってくれた。向こうの親も来たように思う。この時の記憶は少し、欠落している。