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第8章 泥だらけのお姫様

　


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「そんなん、あらへん。えっ、ちょ、これ見て！　四つ葉のクローバー！」

「母さん、はしゃぎすぎ！」

「美羽(みう)ってホンマ、相変わらず子ども！　まっ、そんなところが好きやねんけどな～！」

「もう、イチャイチャせんといて」

「相変わらず幸せそうな家族……」

　帰り道、たまたま公園で見かけたのは、あの日、優衣さんのアパートの下で話しかけられた夫婦。絵に描いた幸せな家族になっていた。

　私がポツリと呟いて俯くと、優希が私の手をぎゅっと握った。

「帰ろう……」

「うん……」