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泥だらけのお姫様
第11章 【番外編2】最悪の再会の果て~自分であるために~
私は正面を向いていられなくて、優希の肩に顔を埋める。早く動いて……、だいたい死ぬならひとりで死ね。電車に飛び込むな、人に迷惑かけるな。そう心の中で悪態をつく。きっと私みたいな経験をしたことがある人は私だけじゃないはず。体験談で今の私と似たような状況で失敗したというのも読んだことがある。死ぬなら、せめて、人を巻き込まない方法を考えて欲しいものだ……。いや、楽しいことを考えよう。最近、買った塗り絵の女の子の髪色は何にしようかな? ゲームのアップデートの更新楽しみだな……。あの配信者さんの更新された動画、早く観たいな。
「お、動くみたい。次、最寄り駅じゃないけど、降りようか」
そう言った後に耳元に息がかかる。
「もう……限界だろ」
「ひゃっ、!」
その瞬間に少し…チビってしまう。タイツまで染みるのを感じる。あぁ、本当にもう限界だ……。頷いて、涙がこぼれ落ちる。分かる。多分、もう無理だ……。