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泥だらけのお姫様
第11章 【番外編2】最悪の再会の果て~自分であるために~
駅に電車が着く。電車からは一刻も早く降りよう……。そう思って、私はヒールを脱いで、一気に走る。それだけで何事か? とみんなが私を見る。優希が慌てて、網棚から大量の荷物をおろして、ついてくる。
「も、無理……」
しゅぃい……
階段手前で私は座り込む。
しゃぁああぁあ。私の下に水溜まりができていく。ホームのアスファルトが黒色に染まっていく。それを周りの人は避けていく。
「美愛!」
優希が叫びながらこっちに来る。私が席を立った時に落としたコートを腰に巻いてくれる。
「汚れちゃう……ひっく……、ごめ……なさい、外なのに……。こんな、人が多いところで」
「大丈夫だよ。帰って、手洗いしてからクリーニング出すから。ここは人が多いから、移動しようか……どうしよっか……とりあえず、背中に乗って。幸い、着替えはさっき買ったのあるし、なんとかなるよ」
優しい言葉が今は痛い。おねしょだけではなく、おもらしまでも……。私は、どこまでこの子に迷惑をかけるのだろうかと思うと苦しくなった。