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泥だらけのお姫様
第11章 【番外編2】最悪の再会の果て~自分であるために~
それから、暫くして、私はあの日のことがショックだったようで、昼間も尿意を我慢できなくなっていた。心因性頻尿というやつらしい。尿もれパッドを敷くようになっていたが、漏らしてしまうこともあった。優希に悟られまいと、言わないでいた。
が、とうとうやってしまった……職場で。仕事が終わったバックルームのトイレの前で。
我慢していて、やっと上がれたからいけると思ったら……店長のトイレが長かった。私は泣きながら座り込んで、私の声に出てきた店長は、あろうことか新聞紙を持っていた。
他のパートさん達は店長に怒った。トイレで新聞なんて読むな……ノックしたら、出てこい。トイレはてめぇの仕事をサボる場所じゃないと。私を責めなかったこと。そのことに少し救われた。自転車出勤をしている年下の新婚主婦さんが雨の日用にとしていた置きタオルや置き服や置き下着一式を貸してくれた。少し短いスカートは恥ずかしかったが、助かった。有り難く借りた。
が、私は、中々落ち着けなくて、夕方、学校帰りの優希が迎えに来てくれた。優希を見たいからと何故かパートさん達みんなが残ってくれた。パートさん達は店長の悪口を言っていた。あのハゲ、本当に仕事しないだの、あのハゲのせいだから本当に気にしたらダメだからねとか。ハゲって単語を何度聞いただろうか。