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泥だらけのお姫様
第11章 【番外編2】最悪の再会の果て~自分であるために~
「皆さん、有り難うございます。母さん、体調が最近、よくなくて、無理していたかもしれないので、もしかしたら今の入ってる分のシフトが終われば退職するかもしれませんが、すみません。ご迷惑おかけしました」
優希は深々と頭を下げた。パートさん達は、やめなくても休職でもいいのよとか、ハゲ店長がキャパオーバーまでコキ使いすぎたせいでごめんなさいね……とか。女性の社会はドロドロしているばかりだったけれど、ここは本当にいい職場だった。けれど、私は退職すると思う。幸い、保険金やら貯蓄やらで優希が卒業するまでは確実に生活できるし、卒業して優希が手に職をつければ、養ってくれるだろう。母親なのにそんな考え方、なんて思う人もいるかもしれない。けれど、元々、破綻してた家。今さら、常識なんてどうでもいい。自分らしく、生きやすく生きたい。望むのはそれだけだ。
「ごめんね。優希……。さっき、優希が言ってたように仕事、やめていいかな? 失敗したの……今日だけじゃないんだ。さすがに繰り返しちゃうとさ……って思うと怖い」
帰り道、お互いに自転車を押し、歩きながら話す。
「うん。それがいいよ。母さんが失敗してたの知ってる。下着の洗濯物、干してる枚数増えてるから。でも俺から言うのも違うなって思って、言ってくれるの待ってた」
「ありがとう。本当に隠し事できないなあ。優希には」
帰宅してから豆乳鍋を作って、食べた。豆乳の色ってなんか変態だねって言うと、母さんの脳内が変態なのって優希は笑ってた。
優希は深々と頭を下げた。パートさん達は、やめなくても休職でもいいのよとか、ハゲ店長がキャパオーバーまでコキ使いすぎたせいでごめんなさいね……とか。女性の社会はドロドロしているばかりだったけれど、ここは本当にいい職場だった。けれど、私は退職すると思う。幸い、保険金やら貯蓄やらで優希が卒業するまでは確実に生活できるし、卒業して優希が手に職をつければ、養ってくれるだろう。母親なのにそんな考え方、なんて思う人もいるかもしれない。けれど、元々、破綻してた家。今さら、常識なんてどうでもいい。自分らしく、生きやすく生きたい。望むのはそれだけだ。
「ごめんね。優希……。さっき、優希が言ってたように仕事、やめていいかな? 失敗したの……今日だけじゃないんだ。さすがに繰り返しちゃうとさ……って思うと怖い」
帰り道、お互いに自転車を押し、歩きながら話す。
「うん。それがいいよ。母さんが失敗してたの知ってる。下着の洗濯物、干してる枚数増えてるから。でも俺から言うのも違うなって思って、言ってくれるの待ってた」
「ありがとう。本当に隠し事できないなあ。優希には」
帰宅してから豆乳鍋を作って、食べた。豆乳の色ってなんか変態だねって言うと、母さんの脳内が変態なのって優希は笑ってた。