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人妻 玲子の白日夢 「夜の遊園地」
第4章 夜の遊園地 3 アリスのティーカップ
「バスルームを出て、さっき選んだランジェリーを身につけ、驚きました。色だけで選んでしまったのですが、全てが繊細なレースでできていて、上も下も、中身が透けて見えてしまいます。鏡に写すと裸でいるよりいやらしい姿の自分がいます。
慌てて黒のドレスを着ます。
裾の長いものを、と思って選んだドレスでしたが、上半身は襟ぐりが大きくあいていて、胸の谷間が半分見えてしまいます。スカートは腿の上まで深いスリットが入っていました。。。
恥ずかしさもありましたが、今だけ、ここだけ、という気持ちが恥ずかしさを覆い隠してくれます。
私はその衣装に負けないよう、唇に強い紅を引きました。
私は、今だけ、女王さま。
私は、今だけ、女王さま。
自分に言い聞かせて、呼び鈴を鳴らすと、さっきの男が現れました。
「おぉ!艶やかですね、アリスさま。では、早速、アリスのティーカップにご案内致します。こちらへ。」
男の後についていくと、中央にどんと大きなティーカップが備えられた小部屋に案内されました。本当に遊園地にあるようなカップです。ただ真ん中にあるのはハンドルではなく、小さめのテーブル、椅子は2つだけです。
「間もなく『ウサギ』が、お茶をお持ちします。お掛けになってお待ちください。」
そう言って、執事風の男は部屋から下がります。
あ、ここにもトランプのマークの窓がある。一つ、二つ。。。
ぼーっと壁の窓を数えていると、本当に「ウサギ」が現れました。ずいぶんと長身のウサギです。頭の上にウサギの耳をつけた、若い男性。私は思わず吹き出してしまいます。
「カッコいいウサギさんね。」
「アリスさま。笑わないでください。お茶をお持ちしました。」
ウサギは苦笑いをして、テーブルの上に本物のティーカップを置きます。そして、私の隣に腰かけると「どうぞ、召し上がれ。」と、お茶をすすめます。
言われるままに口をつけると、それは明らかに紅茶テイストのお酒でした。それも、かなり強い。。。甘く、華やかな香りと味。。。
甘いものも、お酒も大好きな私は、うっとりとそれを飲み続けます。
あ、あれ。。。?
酔いとは別の、身体の火照りを感じます。
身体の芯が疼いてくるような、妖しい熱が立ち上ってきます。
それを見透かしたように、ウサギが私の肩に腕を回し、耳元に囁きます。