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『Room 』
第3章 勧誘
翌日。

大学の講堂で、授業の片付けをしていた洋平に芝浦が声をかけた。

「宮島。ちょっといいか?」

「あ、はい。」

洋平は、手を止め芝浦を見る。

「昨日、祭り会場の裏手の公園で君を見かけたのだが…」

「ああ…。見られてたのか…。
会場で兄貴に酒飲まされて、ベンチでダウンしてたらしいです。」

「らしい?」

「ええ…。寝てたらしくて、全く覚えてないんですよね。」

―寝ていた?
じゃあ、アレはなんだったんだ?
見間違いな筈はないんだが…

「教授?」

「ん?ああ、済まない。それより君、今日はこれから時間あるかな?」

「え?あ、はい。大丈夫です。」

洋平は、芝浦と個人的に話したことが無かったので、不思議に思いながらも予定が無いことを伝えた。

「出来れば、お兄さんも一緒に来てほしいところがあるんだが…。」

芝浦は、洋介が鍵を握っていると睨んだ。

「兄も…ですか?それは、聞いてみないと…。」

「お願い出来るかな?」

芝浦の頼みで、洋介に電話を掛け予定を聞いてみる。

電話の向こうで、予定がないと洋介が答えたので電話を切らずに芝浦に伝える。

「あ、兄も大丈夫なようです。」

「そうか、では…そうだな…。喫茶室で待っていようか」

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