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『Room 』
第4章 焦らされたい女
洋介がリビングに着くと、まだ洋平は起きてはいなかった。
勝手にキッチンから水を持ってくると一気に喉を潤す。
暫くして、芝浦がやってきた。
「まだ、起きてはいないんだね?」
「ああ…。」
「で?さっきのは?」
芝浦はヨーヘイの事を、聞きたいようだ。
「今は、洋平がいつ起きるか分からないから止めておきましょう。
こいつには、ヨーヘイの事を、知られたくない。
後で連絡を入れますから、その時に…」
丁度そこまで言った時、唸り声が聞こえ、洋平が起きた。
「洋平、起きたか。」
「あれ?俺…?」
不思議がる洋平に芝浦が苦笑いをしながら近づく。
「わたしは珈琲の隠し味にブランデーを垂らすんだが、君には強すぎたようだ。申し訳ない。」
「マジっすか…」
そこまで酒に弱くはないと思っていた洋平だが、洋介も頷いている為、簡単に信じてしまった。
「なんか、すみません…。教授の用事で来たのに…」
申し訳なく思った洋平は、芝浦の用事を思い出し聞いてみた。
「実はね…」
芝浦は、朋の部屋で何かが行われていることを知っていて、自分のHPの【Room】の話と先ほどの百合子の話をした。
もちろん、ヨーヘイについては何も触れずに…。
「はぁ…。俺、あんまり協力出来ないですよ。」
望を大切に思っている洋平にとって、これは乗り気にならない話だった。