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『Room 』
第5章 声の出ない女
渋る洋平を連れて、芝浦のマンションにやって来た。

「何時ものようにやっていいから。」

そう言って、部屋の番号を押す。

「あがってくれ。」

芝浦から、返事があり部屋へ向かう。

玄関には女性用の靴があり、既に依頼の彼女が来ているようだ。

リビングに入ると、栗色の髪をした、少しぽっちゃりした、柔らかそうな可愛らしい感じの女性が座っていた。

「こちらは、徳田 舞さんだ。」

「初めまして」

ニッコリとこちらに頭を下げる。

「初めまして、舞さん。
俺は、洋介。こっちは洋平です。」

洋介は、舞に手をだして握手を求めながら微笑んだ。

「芝浦さん。彼らが?」

やはり、二人を見て不安なようだ。
まだ、学生にしか見えない若い二人が芝浦より、上手いとは思えないのだ。

「そうです。まぁ、ものは試しですよ。」

舞の不安を読み取ったのか、芝浦は笑顔でいう。

しかし、当の芝浦も洋平には不安を抱いていた。

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