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あなたがそれを望むなら
第1章 目覚めると…
「あの、毛布っ!!寒いでしょ?風邪ひくから!あの、毛布っ!!」

俺はそばにあった毛布を松野さんに手渡した。
先程まで松野さんが使っていた毛布だ。
訳のわからないことを口走りながら慌てて松野さんに毛布を手渡した。

「あ、すいません。ありがとうございます」

ありがとうございますって、これ松野さんの毛布だし、ここは松野さんの部屋だし!
ダメだ、全然食事に集中出来ないっ!

俺が手渡した毛布で足元を覆ってくれたお陰でいくらか気持ちは落ち着いた、が
先程の絶妙なアングルのビジョンが頭から離れない。
もっと別の事に集中しようと、松野さんの顔を見ると


「―――…」

社内では気づかなかったが、松野さんってよく見たら可愛い、かも?
唇なんてピンク色で分厚いし、目の形も切れ長で綺麗だし、伏し目になった時の睫毛が色っぽい。
胸元までの黒髪も艶々してて触ってみたくなる。
会社ではコンタクトみたいだけど、今目の前にいる松野さんは眼鏡をかけている。
今はオフだし、これが普段の松野さんなのか。

「佐伯さん?」
「あ、な、何でもない…」

いやいやいやいや…
別の事に気を反らそうとしてるのに、何を考えてるんだ俺はっ!!
これじゃ全く逆効果だ!!

っていうか、ここまで世話になった癖にこんな事を考えるなんて最低だな俺は!
ただの性欲の塊じゃねぇかっ!!

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