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あなたがそれを望むなら
第1章 目覚めると…
「あ、いやあの…っ!!俺の家、こっからすっげぇ近くて、あ、歩いて帰れる距離だから…っ!」
「そ、そうなんですか?」
「う、うん!そうっ!」

思わず嘘をついた。
俺の足でここから自宅まで徒歩…、到着は明け方になるな。

ただ、これ以上ここにいるのはヤバい。
これ以上松野さんに迷惑をかけたくないし…、それに



正直、このままここで寝たら…
いろいろ我慢出来る自信がない…。
こんなに優しくしてくれた松野さんに、そんな獣みたいな事したくない。



「あの、本当に迷惑かけてごめん。服とか料理とか…」

食事を終えた俺は食器を片付けてくれる松野さんにお礼を言った。

「全然大丈夫です。昔はおばあちゃんのお手伝いとかいろいろしてましたから」

あぁ、だからか。
松野さんがこんなに面倒見がいいのは、おばあちゃんの教育の賜物だな。

でも、もう少し男に対する警戒心を持って頂けたら有難いです。
目のやり場や返答に困ります。




その後、食器の片付けを終えた松野さんは洗濯済みの俺をYシャツを渡してくれた。
うちとは違う洗剤のいい香りがした。

帰ろうとする俺を見送ろうとしてくれているが、さすがに玄関先まで出てくると言うことで、下半身には暖かそうな分厚いズボンを履いていた。
最初からそれを履いてて欲しかった。

途中から俺の下半身に違和感が…
それを隠すので必死だったが、男の生理現象とは面倒なものだ。

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