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第1章 目覚めると…

ここがどこだかわからない。
それが余計に怖い。
誰のものかわからないベッドで寝てたなんて気持ち悪い。
二日酔いを我慢してベッドから降りようと足を下ろした瞬間



――――ギュッ…



ん？何か今、足に変な感触が…。
何かを踏んだような…。



何かを踏んだ感触を感じた瞬間に



「きゃあぁっ！！」
「ぅ、えええぇっ!?」



俺の足の下から聞こえた女性の声。
俺は慌てて下ろした足を退けた。

え…？えぇっ！？女の声っっ！？
暗闇から聞こえた女の声に驚いて変な声を出してしまった。
暗闇に目が慣れず事態を把握出来ない。

すると

「あぁ、起きたんですか？佐伯さん」
「あ？へっ！？」


女の声が俺の名前を呼んだ。
な、何で俺の名前を知ってるんだ？
ぼんやりと慣れて来た視界。
俺が寝ていたベッドの下に誰かいるようだ。
ベッドの下から現れた人影。

「え、えっと…、君は…？」

俺の名前を知ってるこの女性は誰なんだ…？
昨日の記憶が全くないんだけど、まさか俺、この女と…？

「あ、ごめんなさい…」

女が手を伸ばし天井からぶら下がっている電気の紐を引っ張った。
真っ暗だった部屋が一瞬で明るくなった。
暗闇に慣れていたものだから明るさに一瞬目が眩んだ。

「……っ」
「おはようございます、佐伯さん」

部屋が明るくなり俺に話しかけていた女性の姿があらわになる。
その姿を見た瞬間に、俺は絶句してしまった。