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あなたがそれを望むなら
第1章 目覚めると…
「ま、松野さんっ!?」

そこにいたのは、同じ部署で俺の後輩でもある松野 香美だった。

えっ?えぇっ!?な、何で俺、松野さんと同じ部屋にいるんだっ!!
つーか、何この状況っ!!
お、俺、昨夜…、何をやらかしたんだっ!!

さっきまで、自分がどこにいるかわからず、俺のそばにいる女が誰かもわからずパニックになっていたのに、女の正体がわかった今の方がパニックになってる。
だって、松野は俺の後輩で、社内でも業務連絡程度の会話しかしたことなくて、昨夜だって松野さんと会話した記憶なんか一切ない…、はずなんだけど…。

身体中の血の気がサーッと引いていく。

これは…、状況的に…、もしかしてもしかするやつか…?

そんな俺の態度を見て松野さんはクスクスと笑っている。

「あー、やっぱり。昨日の事、何も覚えてないんですね?」

松野さんのその反応が俺を更に焦らせる。
な、何だよその意味深な笑いは…っ!?
っていうか、昨夜の記憶がないぐらいに泥酔してたって事は…、俺、マジで松野さんと…。


「ご、ごめんっ!!」
「はい?」
「あ、謝って済む話じゃないんだけど…、俺マジで全然覚えてなくて…っ!」

本当なら今ここで土下座しても許してもらう事態だ。
っていうか、こんな経験人生で初めてだ!
まさか、記憶を無くすほどに泥酔して後輩に手を出してしまうなんて…っ!!

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