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あなたがそれを望むなら
第3章 この手を取って
「んっ、ん…、ぁっ」

唇の一瞬の隙間から小さな声が漏れる。
松野さんからしたら悲鳴を上げたいのだろうが、苦しそうな呻き声にすら俺は欲情してしまう。

松野さんの反応一つ一つがいちいち可愛くて…。

「や、んっ!やめて…っ!」

そんな可愛い反応を返されてやめるわけねぇじゃん。
っていうか、男ってものをわかっていない松野さんが悪いんだ。

こんな事、絶対許される行為じゃないとわかっているのに俺は自分を正当化しようとめちゃくちゃな理由付けを探していた。

「は、ん…」

呼吸困難で苦しそうな表情を浮かべてる松野さん。
呼吸しようと必死になり、目を潤ませて苦悶の表情を浮かべている。

「…その顔、たまんない」

もしここで、一瞬でも松野さんが抵抗したら我に返ったかも知れない。
でも、松野さんの反応全部が俺を刺激して来る。

「はぁ、んっ!」

やっと解放された唇。
至近距離で見つめる松野さんの姿。
可愛いどころの騒ぎじゃない。
蒸気した顔があまりにもエロい。

「な、何で…、こんな…」

何で…?この人、まだわかってねぇのか?
あぁ、この人の性格ならわからなくて当然か。
鈍感で天然で危機感すら皆無だもんなぁ。

「わかってねぇの?」
「え…?」

怯えた瞳で俺を見上げてる…。
そういうところが俺を興奮させてるって自覚がないのか?

「煽ってるのはそっちだろ?」
「わ、私は何も…」

何もしていない、とでも言いたそうだな。

松野さんは本当に男ってものをわかっていない。
恐怖に怯えて助けを乞うような姿に興奮する。
ちょっとした仕草の中に見え隠れする素顔の姿に、とてつもない興奮を覚えるということを。

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