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あなたがそれを望むなら
第3章 この手を取って
松野さんの愛液が俺の指に絡んで来る。
少し動かしただけで滴り落ちそうなほどに。

俺の台詞に松野さんの顔が更に真っ赤に染まって行く。
その表情は恐怖から一点して、悔しさが滲み出ている。

「あー、泣かないで。俺は嬉しいんだから」
「ん、ぅ…」
「だって…」

自分の危機感の無さが招いた事態。
ちゃんと反省して、男ってものをもう少し理解してもらわないとなぁ。




「だって、前戯する手間が省けたから」





俺は自分の中指を松野さんの中へと押し入れた。
愛液のお陰でするりと中へ滑り込んだ中指。
滑り込んだというより、まるで俺を誘うように吸い込まれた感じだった。

「ん、んううぅ…!」

松野さんの体が大きく跳ね上がった。
俺の指が中へと挿入された感覚が全身に伝わったみたい。
その反応を見て、俺はあることに気づいた。

「へぇ…。すんなり入るし、ちゃんと反応してるみたいだし、処女じゃなかったんだな」

今時、二十歳を越えても未経験だという女性も珍しくない。
松野さんは間違いなく処女かなと思ってたけど、意外だったな。

「あ、でも、そりゃそうか。元彼がどーのこーのって言ってたもんね?それなりに経験はあるって事か」
「うぅ、んうっ!ううぅっ!!」

軽く中で掻き回しただけで悲鳴のような声を上げている。
何が処女なものか。何が鈍感なものか。

体は敏感過ぎるぐらいの反応を返してくれている。

「まだ中指一本なのにその反応…。たまんねぇ…」



予想外だ。
松野さんがこんなに俺の指で感じてくれてるなんて。
少し脅すだけの予定だったのに。

俺の精神と予定が狂って行く。




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