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あなたがそれを望むなら
第3章 この手を取って
「んぐっ!!んううぅぅぅ―――――…」
「―――――っ!」

体を大きく仰け反らせて、顔をしかませ紅潮させて、俺の体の下で絶頂を迎えた。
俺は興奮を吐き出せなかったが、松野さんの絶頂を迎えた瞬間の表情が見れて、それだけで満足してしまった。







松野さんの腕を拘束していたネクタイを取ると、腕にはくっきりとネクタイの痕が残ってしまっていた。
ネクタイをほどいても、松野さんはぐったりしたまま。

「大丈夫?」

口に突っ込んでいた下着を取ると、下着は唾液でぐっしょりと濡れていた。
この状態で大丈夫もないけど。

「松野さん?」
「…っ。ひっ」

松野さんの顔を覗き込むと、当たり前だが目からは大粒の涙が零れ落ちている。

「ひっ、く…。ぐす…」

あぁ、そりゃ泣いてしまうのも無理はない。
いきなり押し入った男に犯されてしまったのだから。
しかも相手は、信用していたはずの職場の先輩。

でも、何でだろう。
最悪なことに、俺の心には罪悪感なんて微塵も浮かんでこない。
寧ろこの泣き顔にさえ欲情してしまう始末。

「あのさぁ、松野さん」
「ぐす…っ」
「言っとくけど、俺まだイッてないから。そんな泣き顔見せられたらまた襲っちゃうよ?」
「――――っ!」
「このまま松野さんをベッドに運んで、もう一回抱くぐらい全然余裕で―――」
「嫌っ!!」


意地悪く囁くと、松野さんは身の危険を感じたのか泣くのを辞めた。
そして、近づく俺の顔を振り払うように大きく手を振りかざした。

まぁ、殴られたところで文句もないけど。


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