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あなたがそれを望むなら
第3章 この手を取って
上半身を起こして、這うように俺から距離を取った。
髪の毛はボサボサで、スカートも皺だらけのぐちゃぐちゃ。
顔も涙と汗でめちゃくちゃだ。
如何にも襲われましたという感じの格好。
「な、何で…、こんな…っ」
泣き声でちゃんと喋れてないけど、何でこんな酷いことをするのかって聞きたいのだろう。
職場の先輩で、この間の夜に初めて喋ったぐらいの関係なんだから。
「それは…」
何で…?
何でこんな酷いことを…?
あの夜、俺が酔っ払って松野さんの部屋に来たあの夜。
俺は松野さんに欲情してた。
松野さんのちょっとした仕草や表情がたまらなく可愛くて、俺は松野さんに惹かれた。
でも、松野さんの魅力を知ってるのは俺だけじゃなかった。
俺が松野さんの魅力に気づいた時には、もう既に沢山のライバルがいた。
みんな、隙を伺うようにして松野さんに近づこうとしていた。
「それは――――」
誰にも取られたくなかった。
俺の勝手な嫉妬がこんな事をしでかした。
自分でも驚いている。
自分の中にこんな化け物のような嫉妬が潜んでいたなんて、俺は今まで知らなかった。
でも、そんな事を松野さんに言えるわけがない。
こんな事をしてしまったあとに俺の気持ちを伝えたところできっと信じて貰えない。
「――――あ」
何かを言おうとして、その言葉をすぐに飲み込んだ。
今更後悔したって遅い。
今の俺には何かを伝える資格なんかない。
松野さんを壊していい理由なんかどこにもない。
髪の毛はボサボサで、スカートも皺だらけのぐちゃぐちゃ。
顔も涙と汗でめちゃくちゃだ。
如何にも襲われましたという感じの格好。
「な、何で…、こんな…っ」
泣き声でちゃんと喋れてないけど、何でこんな酷いことをするのかって聞きたいのだろう。
職場の先輩で、この間の夜に初めて喋ったぐらいの関係なんだから。
「それは…」
何で…?
何でこんな酷いことを…?
あの夜、俺が酔っ払って松野さんの部屋に来たあの夜。
俺は松野さんに欲情してた。
松野さんのちょっとした仕草や表情がたまらなく可愛くて、俺は松野さんに惹かれた。
でも、松野さんの魅力を知ってるのは俺だけじゃなかった。
俺が松野さんの魅力に気づいた時には、もう既に沢山のライバルがいた。
みんな、隙を伺うようにして松野さんに近づこうとしていた。
「それは――――」
誰にも取られたくなかった。
俺の勝手な嫉妬がこんな事をしでかした。
自分でも驚いている。
自分の中にこんな化け物のような嫉妬が潜んでいたなんて、俺は今まで知らなかった。
でも、そんな事を松野さんに言えるわけがない。
こんな事をしてしまったあとに俺の気持ちを伝えたところできっと信じて貰えない。
「――――あ」
何かを言おうとして、その言葉をすぐに飲み込んだ。
今更後悔したって遅い。
今の俺には何かを伝える資格なんかない。
松野さんを壊していい理由なんかどこにもない。