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あなたがそれを望むなら
第3章 この手を取って
「さ、佐伯さ…」

何て言えばいい?
こんな事をした理由なんて…。

困惑する俺を見て泣きながらも不思議に思ってるようだ。
でも…、俺は何も言えない。




「――――気づかねぇんだな」
「え…?」
「鈍感」




自分がどれだけ俺を惑わせているか。
どれだけ俺を狂わせているかわかってねぇのか。
自覚すらないんだな。

俺は身支度を整えて帰る準備をした。
俺はまだイッてねぇし、これ以上ここにいたら今度こそ松野さんを抱き壊してしまいそうになる。

「佐伯さ…っ、待って…」
「……っ」

ここまでされて俺を呼び止めるか、普通…。
普通ならもう顔も見たくなくなって帰れと思うだろう。
そんな無防備だから俺や池尻みたいな悪い男に付け入れられるんだ。

俺を呼び止める声に後ろ髪を引かれながらも、俺は床に散らばった鞄を持ち靴を履いた。
俺の方がここにいたらヤバい。

「な、何でこんな事…、こんな事したんですか…?」

ドアノブを回そうとした俺の背中に松野さんの声が突き刺さった。
その声が震えてて、その言葉が俺の心を抉って来るようだった。

「鈍感って…、私、何か…、佐伯さんを怒らせるようなことしたんですか…?」
「―――――っ!」

さっきまで芽生えていた凶器のような気持ちが萎えていく。
松野さんの台詞に俺の心に罪悪感が芽生えだす。

松野さんは何も悪くない。
悪いのは俺だ。
松野さんが俺を怒らせたことなんか一度もない。
それどころか逆に俺の方が松野さんに世話になってたはずなのに。

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