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あなたがそれを望むなら
第1章 目覚めると…
「で、その後…、ロックを飲み干した直後にお店を飛び出して、お店の外で盛大にリバースして、路上に寝そべって半分意識も飛ばしてて…」
「――~っ!!」

最低最悪だ…。
でも、ウィスキーのロックを一気飲みしてしまったんだからそんな状態になっても不思議ではない。
っていうか、よく生きてたな、俺。
急性アルコール中毒で死んでてもおかしくないのに。

「そんな佐伯さんを見てこれはさすがに不味いって事になって、私が佐伯さんの面倒を見ることになったんです。部長や課長達は三次会に行っちゃいましたけど…」

…何だよ、それ。
社員がそんな状態だっつーのに、介抱もせずに三次会かよ。
パワハラやモラハラで訴えたら勝てそうな事案だな。

「で、とりあえずタクシーを止めて佐伯さんの自宅まで送ろうとしたんですけど、私佐伯さんのご自宅とか知らなくて。佐伯さんに聞いても酔ってるせいか呂律は回ってないし、支離滅裂な会話しかしてくれませんし…」
「(ひぃぃぃっ!!何やってんだよ、俺…)」

松野さんの会話を聞きながら、俺は耳を塞ぎたくなった。
つーか、穴があったら入りたいとはこの事だ。
もう2度とウィスキーのロックなんか飲まねぇ…。

「それで仕方なく私の部屋に運んだんです。ちょうど私の家の近くだったし、こんな真冬の寒空の中で放置したら凍死しかねませんでしたから」
「えっ!?じ、じゃあ、ここって…?」

まさか、ここって、松野さんの部屋…っ!?


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