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あなたがそれを望むなら
第1章 目覚めると…
改めて周りを見渡すと、確かにそこは女性らしいインテリアが飾られている部屋だった。

じゃあ、俺は…
松野さんの部屋の、松野さんのベッドで寝てたって事かっ!?

「部屋に着いて、とりあえず私のベッドに寝かせたんですけど、その頃には寝息を立ててぐっすり眠ってましたよ。だから、佐伯さんが心配してるような事は何もありませんでした」

ニコッと笑った彼女。
俺は松野さんの笑顔を見た瞬間に、全身の力が抜けてしまった。



あー、よかったぁぁ…っ!!
醜態を見られ迷惑をかけたとは言え、最後の一線は越えてないようだ。
マジでよかった…。

「安心しましたか?」
「あ、うん、まぁ…」

が、そこで俺はあることに気づいた。



いや、ちょっと待て…。
俺が松野さんのベッドで寝てたって事は、じゃあ松野さんは床で寝てたって事か?
俺がさっきベッドから降りようとした時に松野さんを踏んづけてしまったし。
それに、今床に座って話す松野さんは毛布1枚しか持ってないし。


それと、もう1つ…。
確か俺、スーツを着てたはずなのに、今は大きめのTシャツ1枚。
こ、これは…、一体…?


「あ、あの…、じゃあ、松野さんは床で寝てたって事っ!?」
「あ、はい。そうですけど」

何がよかっただよ、俺はっ!!
人の家のベッドを占領した挙げ句、部屋の主を床で寝させるなんて…っ!
しかも相手は女性なのにっ!!

「ご、ごめんっ!!俺がベッドを占領したせいで床で寝る羽目になっちゃって…!!」

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