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幼稚園から始まって高校生になったなら。
第16章 透の思い
「誰が凶暴なのっ!!」

「いや、ごめん。でもそれはあれで・・・!!」

「・・・ぷっ。あはははっ。でも有難う透。それに」

 柚希は続けた。

「私もだよ」

「えっ!?」

「私も透の事が好きっ。大好き!!」

「わっ」

 そう言うと突然、柚希が透に抱き付いて来た、首筋にしっかりと両手を回し、頬に頬を寄せてしっかりと。

 心なしか、その頬は少しだけ濡れていた、そして声も嬉しさで震えていたのだ。

 明るいとことか、優しいとことか。怒りっぽいとことかみんな好きだ。

 透はそう言ってくれたが柚希だってそれはそうだった、理由なんて後付けだった、彼の匂いも、オチンチンも、逞しい所もちょっとおっちょこちょいなところも、少し運動オンチな所も、要するに良い所も情けない所も全部引っくるめて大好きなのだ。

「・・・・・」

「あ・・・」

 そんな彼女の気持ちを理解したのか、透もソッと少女の華奢な体に腕を回して抱きしめた。

 一瞬、ビクッとした柚希だったがすぐに彼にすべてを委ねたように緊張がとかれた。

 それどころか。

 もっとギュッてして、と催促をするかのように全身を強く押し付けて来た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 なんで透がこんなことを言うに至ったのか。

 それは透も柚希の事が好きで彼女との日々を思い返していたからです。

 あの時の柚希、可愛かったな、とか、よく怒られたなぁ、とか。

 それで気付いたのですね、自分は裏も表も含めて柚希と言う少女が好きだったんだ、と言う事に。

 そう言う事でございます。

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