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メサイアの灯火
第11章 ロスト・バージン
 メリアリアはもう“濡れる”と言う現象が発現しています。

 早い子で大体、9~10歳くらいで発現するそうです(濡れる、と言うことに関しては実はもっと早い段階から発現する事もあるようです)。


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「今日さ、お父さんとお母さん。遅いんだ」

「そうなんだ」

「お家に行ってもいい?」

「今日は家も誰もいないよ?」

「えっ、そうなの!?」

「うん、父さんも母さんも兄さん達も誰もいないんだ」

 小学校三年生の夏休み前、ある晴れた土曜日の昼下がり。

 学校から帰宅する直前、メリアリアに話し掛けられた蒼太はそれに応えて自身の家も今日は家族が不在であることを告げる。

「ねえ、今日絶対一緒に遊ぼーよ。久し振りなんだから良いよね?鍛錬とか無いんでしょう?遊ぼうよ」

「・・・うん、良いよ。メリーと一緒に遊ぶ」

「やった!!」

 とここまでは普段通りの流れだった、この頃になってくるとメリアリアは日曜日だけで無く何とか土曜日も遊べないかと執拗に尋ねるようになってきていたのだ。

 積極性が出て来た、と言えば聞こえは良いのかも知れないが別の言い方をすればその誘い方にも粘着性と言うかしつこさが表れてきていた、前にも増して何かと理由を付けては蒼太と一緒にいたがるようになっていたのだ。

 もっとも蒼太も蒼太で別にメリアリアの事が嫌じゃ無かったから、特に面倒臭いと思う事もなく平然と付き合っていたのだが。

「・・・今日二人っきりなんだよね」

「うん、そうだよ」

「二人で、いっぱい遊ぼう?」

「・・・う、うん。解ってるよ」

 蒼太の顔に顔を近づけ、悪戯っぽく微笑みながらメリアリアがソッと囁くがその時、少女の片手が少年の股間に伸びていた事を知る者は誰もいない。

「はん、あんっ、あうぅぅっ。あ、あ、ああ・・・っ!!は、はあ、はあっ。は、早く帰ろ?蒼太・・・」

「うん、帰ろっか」
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