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僕の彼女が堕ちるとき
第2章 賭けと代償
「ま、君が独占欲丸出しになる気持ちはわかるよ。可愛いもんね、西野さん。ただ、彼氏としては、あんまりカリカリしないで、もう少し鷹揚に構えた方がいいと思うよ。」
 大塚が笑いながら僕に言ってきた。

 だが、その時の少しばかり酒の入った僕にとって、大塚のその言葉はいかにも年上なのをかさに着た、上から目線の言葉のように思えた。
 外野のくせに、知った風な口をたたくんじゃねえよ、と思ったのだ。

「……別に心配してもらう必要はないですよ。僕は朱里と1年の時から付き合ってて、朱里のことは十分にわかっているつもりですから。」
 僕は思わず、大塚に食ってかかっていた。

 後から考えれば、大塚の言ったことは他愛もない話で、別に悪意があるようなものでもなかったが、そのときの僕には、大塚の言葉を素直に受け止める余裕がなくなっていたのかもしれない。

 それに、僕は自分が一番、朱里のことをわかっている、と思いたかったのだ。
 それが、事実かどうかは関係なく。

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