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僕の彼女が堕ちるとき
第3章 サイは投げられた
僕は部屋にもどった後も、卒論の報告を控えているというのに、あまり眠ることができなかった。
目を閉じるたびに、大塚の妙に自信ありげな顔が僕の頭のなかでちらついて、僕はその嫌な残像が浮かぶたびに、首を振って打ち消さなくてはならなかった。
結局、僕が眠りについたのは朝の3時を大きく過ぎてからだった。
当然ながら、翌日の目覚めは最悪で、僕は何とか頭をしゃっきりさせるために、洗面台の冷たい水を何度も顔にぶつけなければならなかった。
さらに朝食の時間も最悪だった。
わざわざ僕の席の横に大塚が座ってきて、なれなれしく話しかけてきたからだ。
「よう、おはよう。昨日は眠れたかい?」
大塚の声は爽やか、という感じそのもので、疲労の色はまるで見えない。
そういう態度が挑発なのか、元々の性格なのかはわからないけど、僕にとってはひたすら不快だった。
僕は、食パンをコーヒーで胃の中に流し込むと、しつこく話しかけてくる大塚を無視して部屋に戻った。