この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕の彼女が堕ちるとき
第3章 サイは投げられた
 今日の昼食後は特に予定がなく、各自解散という流れになっていた。
 バスで駅に戻ってそのまま帰ってもいいし、どこかへ遊びに行ってもいいのだ。
 
 昨夜、大塚と決めたルールでは、僕は朱里に対して連絡できないことになっていたから、僕としては、何も手が打てない状況だった。
 
 後はもう、朱里を信じるしかない。
 僕は自分にそう言い聞かせつつ、駅に行くバスを待っていた。
 だが、僕と同様に駅に向かうゼミ仲間の行列には、朱里も大塚の姿もない。
 不安と焦慮が絶え間なく波のように押し寄せて、僕の心を削り取っていくようだった。
 そして、僕のスマホが震え、メールが着信した。

 
 僕は緊張でスマホを取り落としそうになりながら、メールを開く。
 メールを送ってきたのは朱里だった。

『せっかくの箱根だし、ゼミの女子組で温泉行ってきます。帰ったら電話するね』

 メールの文面を見て、僕は思わず安堵した。
 女子組で行動しているなら、もう大塚に出る幕はない。ざまあみろ、と僕は心で快哉を叫んだ。
 僕は晴れやかな気分で、やってきたバスに乗り込むと、帰りの駅へと向かった。


 僕を乗せたバスがつづら折りになった山道を降りて、駅に到着した。
 僕は駅でICカードに5000円をチャージして、そのまま出発待ちの急行電車に乗り込む。朱里が女子組で行動していると分かった以上、もう心配は無用だし、ここに長居する必要もない。
 家に帰って、朱里の電話を待てばいいだけだ。
 
 もしかしたら、僕が発車を待っている間に、何もできなかった大塚が、途方に暮れて駅にやってくるのではないかと思っていたが、さすがにそれはなかった。
 ざまあみろ、お前なんかに擦り寄ってくるのは、貞操観念のイカれたビッチだけだ、と言ってやれるところだったのに。

 そして、安堵と同時に、急な眠気が僕を襲ってきた。
 僕は動き始めた電車の揺れを心地よく感じながら、手すりに顔を寄せて、うつらうつらし始めていた。

/67ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ