この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕の彼女が堕ちるとき
第3章 サイは投げられた
 突然、胸のポケットのスマホが震えて、僕は飛び起きた。
 僕を乗せた電車はどこかの田舎駅に停まっていて、待ち合わせのようだった。
 僕はポケットからスマホを取り出して、電話の発信者を確認する。
 スマホの画面にあったのは、昨日教えてもらったばかりの大塚の番号だった。

 やれやれ。
 こんな奴の番号をスマホのメモリに残すのもあと少しだ。
 どうせくだらない言い訳を並べ立てて、自分の負けをごまかすのだろうが、それも別にどうでもいい。適当に聞いてやった後で、あいつの番号ごとメモリから消去してしまえば、もうあの忌々しい声を聞くこともない。
 そして、僕は面倒くささを覚えながら、電車を降りて大塚の電話に出た。

「よう、約束の定期連絡だ。」
 電話の向こうの大塚の声に暗さはまるでなく、僕は妙な違和感を覚えた。
 
 くだらない。
 昨日もそうだけど、ただの虚勢に決まっている。

「今、西野さんと温泉にいるよ。とりあえずファーストコンタクトは成功ってとこかな。」
 大塚が自信たっぷりの口調で言ってきた。
 何を言ってるんだ? 朱里は女子組と温泉に行っているのに。
 こいつはなんのつもりでそんな嘘をついてくるのか。

「……くだらない嘘はやめてもらえますか?」
「嘘じゃないさ。多少、盛ったけどな。」
「ちゃんと報告してくださいよ。あんたがそういうルールにしたんでしょ。ルールを破るんなら、ここで終わりにしますよ。」
「ああ、悪い、悪い。西野さんを含めてゼミの女の子3人と温泉に来てる、っていえば、正確かな。」

「……えっ?」
 大塚の言葉に僕は愕然とした。
 もし、大塚の言っていることが本当なら、朱里が送ってきたメールは嘘ということになる。そんなこと、信じられるわけがない。

「どうせ、女の子たちが出かけるところを見計らって、図々しく付いていったんでしょ?」
 僕としては、そうとしか考えられない。いや、そうに違いない。
 僕は祈るように大塚の言葉を待った。

「ずいぶんと見くびられたもんだな。悪いけど、女の子たちを温泉に誘ったのは俺だよ。レンタルの水着で入れる温泉があるから、みんなで行こうって。」
 僕は言葉を失った。
 それが本当なら、朱里は意図的に大塚のことを僕に知らせなかった、ということになってしまう。

/67ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ