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僕の彼女が堕ちるとき
第3章 サイは投げられた

突然、胸のポケットのスマホが震えて、僕は飛び起きた。
僕を乗せた電車はどこかの田舎駅に停まっていて、待ち合わせのようだった。
僕はポケットからスマホを取り出して、電話の発信者を確認する。
スマホの画面にあったのは、昨日教えてもらったばかりの大塚の番号だった。
やれやれ。
こんな奴の番号をスマホのメモリに残すのもあと少しだ。
どうせくだらない言い訳を並べ立てて、自分の負けをごまかすのだろうが、それも別にどうでもいい。適当に聞いてやった後で、あいつの番号ごとメモリから消去してしまえば、もうあの忌々しい声を聞くこともない。
そして、僕は面倒くささを覚えながら、電車を降りて大塚の電話に出た。
「よう、約束の定期連絡だ。」
電話の向こうの大塚の声に暗さはまるでなく、僕は妙な違和感を覚えた。
くだらない。
昨日もそうだけど、ただの虚勢に決まっている。
「今、西野さんと温泉にいるよ。とりあえずファーストコンタクトは成功ってとこかな。」
大塚が自信たっぷりの口調で言ってきた。
何を言ってるんだ? 朱里は女子組と温泉に行っているのに。
こいつはなんのつもりでそんな嘘をついてくるのか。
「……くだらない嘘はやめてもらえますか?」
「嘘じゃないさ。多少、盛ったけどな。」
「ちゃんと報告してくださいよ。あんたがそういうルールにしたんでしょ。ルールを破るんなら、ここで終わりにしますよ。」
「ああ、悪い、悪い。西野さんを含めてゼミの女の子3人と温泉に来てる、っていえば、正確かな。」
「……えっ?」
大塚の言葉に僕は愕然とした。
もし、大塚の言っていることが本当なら、朱里が送ってきたメールは嘘ということになる。そんなこと、信じられるわけがない。
「どうせ、女の子たちが出かけるところを見計らって、図々しく付いていったんでしょ?」
僕としては、そうとしか考えられない。いや、そうに違いない。
僕は祈るように大塚の言葉を待った。
「ずいぶんと見くびられたもんだな。悪いけど、女の子たちを温泉に誘ったのは俺だよ。レンタルの水着で入れる温泉があるから、みんなで行こうって。」
僕は言葉を失った。
それが本当なら、朱里は意図的に大塚のことを僕に知らせなかった、ということになってしまう。
僕を乗せた電車はどこかの田舎駅に停まっていて、待ち合わせのようだった。
僕はポケットからスマホを取り出して、電話の発信者を確認する。
スマホの画面にあったのは、昨日教えてもらったばかりの大塚の番号だった。
やれやれ。
こんな奴の番号をスマホのメモリに残すのもあと少しだ。
どうせくだらない言い訳を並べ立てて、自分の負けをごまかすのだろうが、それも別にどうでもいい。適当に聞いてやった後で、あいつの番号ごとメモリから消去してしまえば、もうあの忌々しい声を聞くこともない。
そして、僕は面倒くささを覚えながら、電車を降りて大塚の電話に出た。
「よう、約束の定期連絡だ。」
電話の向こうの大塚の声に暗さはまるでなく、僕は妙な違和感を覚えた。
くだらない。
昨日もそうだけど、ただの虚勢に決まっている。
「今、西野さんと温泉にいるよ。とりあえずファーストコンタクトは成功ってとこかな。」
大塚が自信たっぷりの口調で言ってきた。
何を言ってるんだ? 朱里は女子組と温泉に行っているのに。
こいつはなんのつもりでそんな嘘をついてくるのか。
「……くだらない嘘はやめてもらえますか?」
「嘘じゃないさ。多少、盛ったけどな。」
「ちゃんと報告してくださいよ。あんたがそういうルールにしたんでしょ。ルールを破るんなら、ここで終わりにしますよ。」
「ああ、悪い、悪い。西野さんを含めてゼミの女の子3人と温泉に来てる、っていえば、正確かな。」
「……えっ?」
大塚の言葉に僕は愕然とした。
もし、大塚の言っていることが本当なら、朱里が送ってきたメールは嘘ということになる。そんなこと、信じられるわけがない。
「どうせ、女の子たちが出かけるところを見計らって、図々しく付いていったんでしょ?」
僕としては、そうとしか考えられない。いや、そうに違いない。
僕は祈るように大塚の言葉を待った。
「ずいぶんと見くびられたもんだな。悪いけど、女の子たちを温泉に誘ったのは俺だよ。レンタルの水着で入れる温泉があるから、みんなで行こうって。」
僕は言葉を失った。
それが本当なら、朱里は意図的に大塚のことを僕に知らせなかった、ということになってしまう。

