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僕の彼女が堕ちるとき
第4章 苦すぎたコーヒー
「よう、定期連絡だ。そっちもそろそろ焦れてきてるんじゃないか?別に、ルール上では、そっちから俺に電話してくれてもいいんだけどな。」

「……いろいろ言っても無駄ですよ。もう、あんたのそういう揺さぶりは聞かないことにしましたんで。」

「へえ、腹を括ったってか? そうこなくちゃ、俺も面白くない。実のところを言えば、嫉妬に狂った君が、この勝負のことを、西野さんに全部ばらしてしまうんじゃないかって心配してたんだ。俺としたら、今さら君にそんなことをされたら、ここまでやってきたことが全部パアだからな。」
「………………」
 さっきまでの僕のなかで、そういう衝動がなかったとは言えない。
 僕は思わず口をつぐんだ。

「それに、こっちは温泉で、西野さんの水着姿をさんざん見せつけられて、下心に火がついてるんだ。もうお互いのBETは済んで、サイは投げられて、ルーレットは回ってるんだ。いまさら降りるなんて興ざめなことはやめてくれよ。ま、君がそんなことをしたら、君がいかに嫉妬狂いのヘタレかを、西野さんに滔々と教えてやるだけだが。」
「……くだらんことを心配する前に、報告をしてもらいましょうか。」
 大塚の言葉は明らかに僕の退路を断つものだったが、ここで怯むわけにはいかない。
 朱里と僕が何事もなく、このくだらない勝負を終えるためにも。

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