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僕の彼女が堕ちるとき
第5章 揺れる想い

僕の態度に拍子抜けしたのか、大塚はあっさりと報告に入った。
「まあ、正直に言っちまえば、報告というほどのものはもうない。さっき、みんなといるときに聞き出したことを、より詳しく西野さんの口から聞き出してるだけだしな。それに、ここに来て、彼女、君のことを気にしだしたよ。簿記の本の使い方を教えてあげるから、部屋に来なよ、って誘ったんだけど、それは彼に悪いから、なんて言い出してね。」
……よかった。朱里はちゃんと踏みとどまろうとしているのだ。
その言葉で、僕は心に灯がともったような気がした。
「……あれ? 今、君、もしかして……安心したの?」
僕の安堵のため息が漏れたのだろうか。
ぞっとするような声で、大塚が僕にささやいてきた。
「わかってないなあ。口説かれてる女の子が『彼氏に悪いから』なんて言い訳をしだしたら、その子はもう八割方、落ちてるんだよ。「彼氏に悪い」なんて、本人にすりゃ当たり前のことをわざわざ口にして、自分に言い聞かせなきゃならないくらい心が揺れているってことなんだよ。その程度のことに、なぜ気づかないかなあ?」
「……そんな……こと……」
大塚の言葉に僕は何とか反論しようとしたが、喉がひりついて、まともに声がでない。
「何にせよ、西野さんは君のことを後ろめたく感じながらも、俺と話す方を選んだ。それも、自分の意思でね。俺にとっては実にいい傾向ってことさ。あと一押し。もうちょっとでチェックメイトってところだ。だから、今のうちに言っとく。」
改めて大塚が黙ったままの僕に告げた。
「まあ、正直に言っちまえば、報告というほどのものはもうない。さっき、みんなといるときに聞き出したことを、より詳しく西野さんの口から聞き出してるだけだしな。それに、ここに来て、彼女、君のことを気にしだしたよ。簿記の本の使い方を教えてあげるから、部屋に来なよ、って誘ったんだけど、それは彼に悪いから、なんて言い出してね。」
……よかった。朱里はちゃんと踏みとどまろうとしているのだ。
その言葉で、僕は心に灯がともったような気がした。
「……あれ? 今、君、もしかして……安心したの?」
僕の安堵のため息が漏れたのだろうか。
ぞっとするような声で、大塚が僕にささやいてきた。
「わかってないなあ。口説かれてる女の子が『彼氏に悪いから』なんて言い訳をしだしたら、その子はもう八割方、落ちてるんだよ。「彼氏に悪い」なんて、本人にすりゃ当たり前のことをわざわざ口にして、自分に言い聞かせなきゃならないくらい心が揺れているってことなんだよ。その程度のことに、なぜ気づかないかなあ?」
「……そんな……こと……」
大塚の言葉に僕は何とか反論しようとしたが、喉がひりついて、まともに声がでない。
「何にせよ、西野さんは君のことを後ろめたく感じながらも、俺と話す方を選んだ。それも、自分の意思でね。俺にとっては実にいい傾向ってことさ。あと一押し。もうちょっとでチェックメイトってところだ。だから、今のうちに言っとく。」
改めて大塚が黙ったままの僕に告げた。

