この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕の彼女が堕ちるとき
第7章 エンドレス・ボレロ
 

 僕は目の前の二人のキスを絶望的な気分で眺めていた。
 そして、圧倒的な悔恨が、僕を苛むように押し寄せてきた。
 
 なぜ、僕は朱里が救いを求めてきたときに、背中を押してやれなかったのだろう?
 教員試験に全敗して、どうしたらいい? と朱里が僕に聞いてきたとき、何故、僕は、今、大塚が言ったことを、そのまま彼女に言ってやることができなかったのだろう?
 だけど、その答えは、今さら自問するまでもなく、僕自身がもっともよく知っていた。

 教育実習で中学生たちと撮った写真を僕に見せながら、朱里は僕に言ったのだ。
「わたし、みんなと約束したんだ。絶対、先生になって、ここに戻ってくるって。」
 熱く教師への思いを語る朱里を、僕は確かに見ていたはずなのに。
 いや、見ていたからこそ、僕は朱里の背中を押すことができなかったのだ。
 
 だって、朱里は教師になれるなら、多分、沖縄でも北海道でも行ってしまうだろう。
 もし、来年、都内や近県で合格できればいいけれど、そうなるとは限らない。
 それに、僕は自分の仕事が落ち着けば、すぐにでも朱里と一緒になりたかった。
 結婚ということを考えたときに、僕は内心、朱里の夢を素直に応援できずにいたのだ。
 だから、僕は朱里が教員試験に失敗したとき、そのことには同情しながらも、教師とは別の道を勧めてしまった。
 
 そのことが彼女をどれほど苦しめることになるのか、深く考えもせずに。
 ……そして、僕は、自分が完全にこの勝負に敗れたことを悟った。

/67ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ