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こいのうた。
第15章 二つの影
そして京丞の出発の日。


一華は学校を早退して、家までの道をとぼとぼ歩く。

(行っちゃった…)

一華は無意識に京丞の家に向かっていた。

連絡の取れないケータイの画面を見つめながら、京丞の顔を思い浮かべる。


その時、後ろから肩をポンと叩かれて振り向くと、見慣れた顔が立っていた。

「え!」

「一華ちゃん」

「…なんだ、大丞くんか」

「なんだって何だよ~」

「だって…」

「京丞の代わりに、どっか遊びに行かない?」

「そんな気分じゃないし…」

「いない間、ずっとそんな顔でいるつもり?」

「え…」

一華は、自分が思っているよりずっと暗い表情で、目も赤く充血していた。

「だから、遊びに行こう。いいとこ知ってるんだ」

強引に腕を引かれる。

「ちょっと…待って!」

「変なとこじゃないからさ」

「じゃなくて…制服だから…」

「あー、じゃあ途中で服かえよう!」

そう言って早足で歩き出す。
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