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こいのうた。
第19章 華の香
昇降口手前で、やっとおろされた一華は、慌ててスカートを直す。

「もう、いきなり恥ずかしいよ」

「だってムカつくじゃん、あいつら」

「そうだけど…」

「まあいいじゃん、帰ろ」



二人は正門を抜けて、一旦 一華の家に着替えをとりに向かう。


「しばらく同棲だね」

嬉しそうにはしゃぐ京丞。
自然と足取りも軽くなる。


家に着くと京丞は玄関に座り、一華を待つ。
ぼーっと頬杖をついていると、肘にフワリと何かが触れた。

「うわっ」

「ニャー」


薄茶色で、綺麗な毛並みの猫が擦り寄ってきていた。


京丞の声に、一華は慌てて階段を降りてくる。

「どうしたの?」

「いや、猫飼ってたんだね。これシャム猫?」

「ラグドールだよ。ふわふわでしょ」

「いたの知らなかった」

「いつもお兄ちゃんの部屋にいるから…」

「ふぅん。ラグドールかぁ〜、初めて聞いたよ」


京丞は目を細めて、優しく背中を撫でる。

「可愛いなぁ~お前」

そんな様子を、一華は微笑ましく見つめていた。
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