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カゴノトリ
第2章 部屋の中

美保の父は、剛三が経営している会社の小さな下請けをしていた。

その父が去年亡くなった。

自殺だった。

多額の負債がそうさせたのだった。

美保の母親は10年前に亡くなっていた。

美保と弟の卓也は途方に暮れた。

そのとき、助けてくれたのが剛三だった。

債権者への負債を、肩代わりしてくれたのだった。


「今まで、君のお父さんは、私の会社の為にいい仕事をしてくれた」


剛三は美保たちにそう言った。

負債の整理がつくまで、剛三は親身になってくれた。

そんな剛三に、美保も好意を持つようになった。

でも、美保は剛三に“男女の間での好意”を持ったのではなかった。

あくまで紳士的な剛三に、人間的な尊敬の念を持ったのだ。

しかし、剛三は違っていた。
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